七転八起の人生だ。学卒元JRA騎手候補生で、の調スポーツ 時 の 水分 補給現在は栗東・宮徹厩舎に所属する増井一斗(かずと)助手(33)。教助父は元JRA騎手で、騎手A騎今は亡き父…様々な思いを胸に9月25日 、免許2025年度のJRA騎手免許(障害レース専門)試験を受験した 。き父フランス出身のミカエル・ミシェル騎手らとともに、JRJRA競馬学校の生徒ではない「外部」からのチャレンジだったが、元騎央大験亡は元無念の不合格 。手候手が試験を受手来年の2度目の受験に向けて再スタートを切った彼の半生を紹介したい。補生
滋賀・栗東で生まれ、で中15歳の時には滋賀県中学総体 、器械体操3種目個人総合準優勝など、小さい頃から運動神経が良かった。06年 、騎手課程25期生として松山弘平、国分優作・恭介兄弟らとともにJRA競馬学校に入学する予定だったが、スポーツ リハビリテーション の 臨床体重調整に苦しみ自主退学。勉強をやり直して一年遅れで高校を卒業し 、中央大学文学部に進学した 。在学中は東京都民大会ジュニアライダー130優勝、全日本学生障害飛越競技団体6位入賞など馬術に励んだ 。
父・増井裕(ひろし)さんは元JRA騎手で 、騎手候補生になる前は器械体操にいそしみ 、関西団体チャンピオンの一員だった 。83年3月5日に栗東・土門健司厩舎からデビューし、27勝を挙げて関西の新人賞に当たる関西放送記者クラブ賞を受賞 。2年目には50勝をマークし 、日本ダービーにも騎乗した。その後もフェアプレー賞を受賞し 、94年の香港ヴァーズではエイシンテネシーに騎乗して4着と健闘 。34歳で引退後は栗東・大根田裕之厩舎で調教助手を務め、芝1000メートル日本レコードのカルストンライトオなどを調教した。40代半ばで退職し、49歳という若さで病気のため亡くなった。
一斗さんは「私が騎手課程を辞めると父は落胆し、家庭が崩壊しました。無職になって絶縁した父が亡くなってから、僕が騎手を諦めなかったら生きていたかもしれないと…」と自分を責めた。中央大学在学中は都内で就職活動をしていたが 、父の死をきっかけにリクルートスーツを捨て、JRA競馬学校厩務員課程を目指すことに 。厩務員課程の筆記と実技で構成される成績は主席で卒業。27歳の時に栗東トレセンで調教助手として 、ホースマン人生をスタートさせた。
一斗さんがもう一度、騎手を志すにあたって、影響を受けた人物の名を挙げる。「(パリ五輪メダリストの)戸本一真さんには高校時代から 、乗馬苑でお世話になっていました 。(北米で活躍する)木村和士騎手は、(厩務員課程で)競馬学校在学中にかぶっていて、挫折した後の復活に感化されました。そして大学の時からの友人だった坂口智康くん=美浦・尾形厩舎=が昨年、騎手になったことが一番ですね」と3人に感謝し、刺激を力に換えた。
ついに9月25日、JRA競馬学校(千葉県)で1次試験に臨んだ 。筆記、スポーツテスト、馬術(乗馬用の馬による実技)で約4時間 。身長は173センチあり、もともと62キロで体脂肪率は8%だったが 、受験時は汗とりなしで1年近くかけて52キロ台まで減量した 。汗とり=つまり風呂で体重を落とすと 、スポーツテスト中に足がつる可能性が高いからだ。勉強時間は最低でも6時間、休日は12時間で 、毎日ランニングも1時間 。その他トレーニングや馬術の練習など 、目の色を変えて取り組んだ。「妻は試験前の3か月間 、『試験に集中してね』と自ら里帰りも兼ねて子供と帰省してくれました。筆記試験とスポーツテストに最も自信があったのに 、筆記試験がうまくできませんでした。自分の心も体も、そして家族も疲弊させてしまった 、本気で挑戦した壮絶な年でした」と振り返り 、ひと皮向けた表情を見せた。
今年、障害レースに騎乗したジョッキーは、3月末に引退した大庭騎手を除くと24人で、うち40歳以上は10人にのぼる 。JRAとしても30代の障害ジョッキー誕生は喜ばしいはずだ。一斗さんは「(15歳の時に)騎手課程を辞めなければ良かったと今でも後悔しています」と話すが、まだまだ遅くない。来年こそ、亡き父に胸を張って吉報を届けてほしい。(中央競馬担当・玉木 宏征)
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